
花粉症に伴う目の痒み、赤み、涙目、目やになどアレルギー性結膜炎の治療薬は、当然のことながら目薬(抗アレルギー点眼薬)が一般的です。2024年5月、「アレジオン®眼瞼クリーム」という世界初のまぶたに塗る目薬が登場しました。
これまでの主流である抗アレルギー点眼薬(現在も主流の治療薬ですが)は即効性があります。しかし目薬を差すのが苦手な方や、1日に2~4回も点眼するのが手間だと感じる方もいます。また化粧をされている女性にとって、日中の点眼はメイク崩れの原因にもなり得ます。
アレジオン眼瞼クリームは、1日1回上下のまぶたの皮膚に塗る薬です。成分は点眼薬と同じ抗ヒスタミン薬が含まれています。上下のまぶたに塗り広げることで、有効成分が皮膚からじわじわと奥にある結膜へと浸透していき、効力を発揮します。塗布後24時間効果が持続し、効果自体も正しく使用すれば従来の抗アレルギー点眼薬と同等であるとされています。目の中に入れる薬剤では無いため、目に入った場合はすぐに洗い流して下さい。また、コンタクトレンズを装着したまま使用できます。
使用開始後3日目から最大効果が現れるため、花粉飛散期の2週間前からの開始が理想的です。ただ、花粉飛散中でも使用開始は可能です。なお、この薬剤と抗アレルギー点眼液は同日に処方できませんのでご注意下さい(最初眼瞼クリームを処方し、後日点眼液へ変更する、というのは可能です)。また既存の点眼薬との併用については医師と相談して下さい。
適応年齢は12歳以上が推奨されています。点眼を行うことが難しい介助が必要な高齢者には適した治療薬です。なお12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施されていないため、12歳未満で目薬を差すのが苦手なお子さんには原則使用できません。
当院は皮膚科ですので、花粉症シーズンに頻発する目の周りの痒み、赤み“花粉症皮膚炎”に対してもこの薬剤を使用します。目の周りの痒みのみの場合には有効です。ただし明らかな赤み・湿疹が出た場合、この薬剤を塗布するとかえって薬剤の刺激により湿疹が悪化することがあります。赤み・湿疹に対しては通常の治療薬である弱いステロイド外用薬やステロイド眼軟膏を用います。アレジオン眼瞼クリームは毎年花粉症時期に起きる花粉症皮膚炎を予防する、もしくは症状を悪化させない効果を期待する薬剤です。