50歳以上の方に対する帯状疱疹予防として、過去に水痘にかかったことがある人、帯状疱疹にかかったことがある人にワクチンを接種すると抗体が増えることが分かってきました。帯状疱疹後神経痛は帯状疱疹になった後に神経の痛みが残る後遺症で、なかなか治りにくいのですが、ワクチン接種により帯状疱疹後神経痛の予防も期待されています。
帯状疱疹を予防するワクチンは現在2種類あり、いずれも当院で扱っております。2種類とも50歳以上で接種可能であり、また2種類とも保険外診療となります。予約頂いてからの接種となりますので、初診日には原則接種は出来ません。
これまで当院では乾燥弱毒生水痘ワクチンのみ扱っておりました。しかし青森県立中央病院勤務時代、抗がん剤治療中やステロイドを含む免疫抑制剤を投与中に発症した重症の帯状疱疹患者さんに対し数多く入院加療を行いました。普通の方の帯状疱疹と比べより重症となることが多く、且つ帯状疱疹後神経痛が重く残ることを目のあたりにし、そのような免疫が低下している方でも接種できるワクチンを扱いたいという思いが強くなり、2021年4月時点でまだ青森県内の医療機関で導入が少なかったシングリックスを扱うことを決めました。保険外診療となるため公立の総合病院では殆ど扱っていないワクチンではあります。ご希望の方もしくはご興味がある方はお気軽にスタッフへお問い合わせ下さい。
なお2種類のワクチンとも、新型コロナウイルスワクチン接種後2週間が経過してから接種可能となります。
乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」® | シングリックス® | |
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ワクチンの種類 | 生ワクチン | 不活化ワクチン |
接種回数 | 1回 | 2回(2ヵ月後に2回目) 遅くとも6か月後までに接種 |
発症予防 | 50~60% | 90%以上 |
神経痛予防 | 約66% | 約90% |
持続期間 | 5年程度 | 10年以上 |
副反応 | 接種部位の痛み,腫れ,発赤 3日~1週間で消失 | 接種部位の痛み,腫れ,発赤 3日~1週間で消失 |
料金 | 1回7,700円(税込) | 1回22,000円(税込) よって2回で計44,000円 |
長所 | ・1回で済む ・値段がシングリックスよりも安い | ・免疫が低下している方、免疫を抑制する治療を行っている方も接種できる ・発症予防、神経痛予防効果が高い ・持続期間が長い ・追加接種は不要 |
短所 | ・免疫が低下している方、免疫を抑制する治療を行っている方は接種できない ・効果、持続期間がシングリックスより劣る ・5年ごとの追加接種が望ましい | ・2回接種が必要 ・値段が水痘ワクチンより高い |
Point!
①乾燥弱毒生水痘ワクチン(生ワクチン)は、海外の同種ワクチンのデータによると、その帯状疱疹発症予防効果は60歳台で64%、70歳台で41%、80歳以上では18%と高齢になればなるほど低下してきます。一方、シングリックス(不活化ワクチン)の発症予防効果は50歳以上で97%、80歳代でも91%と高齢になってからの接種でも予防効果は保たれます。
②水痘ワクチンは5年程度で効果が低下してきます。よって、水痘ワクチンを打たれる方は、5年ごとの追加接種を勧めます。シングリックスは10年以上効果が持続されるため、追加接種は不要です。
Check!
昨年から今年にかけ、新型コロナウイルス感染やコロナウイルスワクチン接種と帯状疱疹発症の関連性についての論文が出ております。
①新型コロナウイルスに感染すると、50歳以上の方では帯状疱疹発症のリスクが上がります。
②コロナウイルスワクチン接種後も、帯状疱疹発症のリスクが上がります。
実際、当院でもこれまでコロナウイルス罹患後もしくはコロナウイルスワクチン接種後に発症した帯状疱疹患者さんを数多く診察、治療をしました。新型コロナウイルスと帯状疱疹って、切っても切れない関係性のようです。やはり50歳以上の方には帯状疱疹ワクチン接種を強く勧めます。