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漢方専門医

医療法人 北村皮膚科(八戸市)認定皮膚科専門医  アレルギー専門医 漢方専門医

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青森県八戸市根城1-14-11

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診療内容

帯状疱疹ワクチン

 50歳以上の方に対する帯状疱疹予防として、過去に水痘にかかったことがある人、帯状疱疹にかかったことがある人にワクチンを接種すると抗体が増えることが分かってきました。帯状疱疹後神経痛は帯状疱疹になった後に神経の痛みが残る後遺症で、なかなか治りにくいのですが、ワクチン接種により帯状疱疹後神経痛の予防も期待されています。

 帯状疱疹を予防するワクチンは現在2種類あり、いずれも当院で扱っております。2種類とも50歳以上で接種可能であり、また2種類とも保険外診療となります。予約頂いてからの接種となりますので、初診日には原則接種は出来ません。

 これまで当院では乾燥弱毒生水痘ワクチンのみ扱っておりました。しかし青森県立中央病院勤務時代、抗がん剤治療中やステロイドを含む免疫抑制剤を投与中に発症した重症の帯状疱疹患者さんに対し数多く入院加療を行いました。普通の方の帯状疱疹と比べより重症となることが多く、且つ帯状疱疹後神経痛が重く残ることを目のあたりにし、そのような免疫が低下している方でも接種できるワクチンを扱いたいという思いが強くなり、2021年4月時点でまだ青森県内の医療機関で導入が少なかったシングリックスを扱うことを決めました。保険外診療となるため公立の総合病院では殆ど扱っていないワクチンではあります。ご希望の方もしくはご興味がある方はお気軽にスタッフへお問い合わせ下さい。
 なお2種類のワクチンとも、新型コロナウイルスワクチン接種後2週間が経過してから接種可能となります。

乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」®シングリックス®
ワクチンの種類生ワクチン不活化ワクチン
接種回数1回2回(2ヵ月後に2回目)
遅くとも6か月後までに接種
発症予防50~60%90%以上
神経痛予防約66%約90%
持続期間5年程度10年以上
副反応接種部位の痛み,腫れ,発赤
3日~1週間で消失
接種部位の痛み,腫れ,発赤
3日~1週間で消失
料金1回7,700円(税込)1回22,000円(税込)
よって2回で計44,000円
長所・1回で済む
・値段がシングリックスよりも安い
・免疫が低下している方、免疫を抑制する治療を行っている方も接種できる
・発症予防、神経痛予防効果が高い
・持続期間が長い

・追加接種は不要
短所・免疫が低下している方、免疫を抑制す治療を行っている方は接種できない
・効果、持続期間がシングリックスより劣る

・5年ごとの追加接種が望ましい
・2回接種が必要
・値段が水痘ワクチンより高い
【ワクチン接種は自費診療ですが、初診料・再診料とも頂いておりません】


※シングリックス®の接種対象者は、これまでは「50歳以上の者」でしたが、2023年6月より新たに「帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者」も接種できるようになりました。
 帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる者とは、以下のような方です。
①疾病又は治療により免疫不全である者、免疫機能が低下した者または免疫機能が低下する可能性のある者
②上記以外で、医師が本剤の接種を必要と認めた者

 
上記①の方は具体的には18歳~49歳までの抗癌剤治療中の方、ステロイドや免疫抑制剤、抗体製剤などを投与中の方が大部分に当たると思います。特に抗癌剤治療の患者さんは総合病院で治療を受けている方がほとんどだと思います。シングリックス接種は自費診療に当たるためまだまだ公的病院では取り扱っていない場合が多いのですが、もしも接種希望があるのならば、当院は紹介状無しでも受け付けております。その場合でも薬手帳と抗癌剤の内容が書かれた用紙をご持参頂ければ助かります。その他、高血圧、糖尿病などの生活習慣病をお持ちの方もここの範疇に入るかと思います。
 また上記②の表現は分かりづらいのですが、要は当院医師が接種した方がベターである、と判断すれば接種可能と判断しております。それぞれの患者さんで色々と事情があると思いますが、その相談にも応じます。 
 なお「帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者」の場合にのみ、1回目の接種から2回目の接種までの間隔を1か月まで短縮することができるようになりました。2か月を超えた場合であっても、6か月後までに2回目の接種を行います。
 
なお、水痘ワクチン「ビケン」®はこれまで通り、50歳以上の者にしか接種できません。

Point!
①乾燥弱毒生水痘ワクチン(生ワクチン)は、海外の同種ワクチンのデータによると、その帯状疱疹発症予防効果は60歳台で64%、70歳台で41%、80歳以上では18%と高齢になればなるほど低下してきます。一方、シングリックス(不活化ワクチン)の発症予防効果は50歳以上で97%、80歳代でも91%と高齢になってからの接種でも予防効果は保たれます。

②水痘ワクチンは5年程度で効果が低下してきます。よって、水痘ワクチンを打たれる方は、5年ごとの追加接種を勧めます。シングリックスは10年以上効果が持続されるため、追加接種は不要です。

 Check!
 近年、新型コロナウイルス感染やコロナウイルスワクチン接種と帯状疱疹発症の関連性についての論文が出ております。
①新型コロナウイルスに感染すると、50歳以上の方では帯状疱疹発症のリスクが上がります。
②コロナウイルスワクチン接種後も、帯状疱疹発症のリスクが上がります。

 実際、当院でもこれまでコロナウイルス罹患後もしくはコロナウイルスワクチン接種後に発症した帯状疱疹患者さんを数多く診察、治療をしました。新型コロナウイルスと帯状疱疹って、切っても切れない関係性のようです。やはり50歳以上の方には帯状疱疹ワクチン接種を強く勧めます。

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