掌蹠(しょうせき)とは手のひら、足の裏のことです。幼小児期や思春期に発症し、精神的な緊張があったときに手のひら・足の裏に多量の発汗が見られます。発汗量は日中に多く、寝ている間は少ないです。
残念ながら掌蹠多汗症に対し保険適応のある塗り薬はありません。当院では日本皮膚科学会の診療ガイドラインにおいて使用が推奨されている塩化アルミニウム溶液を院内製剤として取り扱っております。この薬剤は汗の出口を塞ぎ、汗の量を抑える働きがあります。まずは濃度の薄い20%溶液を使用してもらい、かぶれや刺激感などの副作が無く効果が不十分な場合には濃度の濃い50%溶液を使用してもらうこともあります。外用を開始してから効果が出始めるのに2~4週間かかります。
20% 塩化アルミニウム溶液 50ml | 650円(税込) |
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50% 塩化アルミニウム溶液 50ml | 900円(税込) |
「多汗症」に保険適応がある漢方薬は、「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」があります。
また、「ねあせ」という適応症を持つ漢方薬として、「黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)」、「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」、「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」があります。
掌蹠多汗症は腋窩多汗症に比べ若年の(小・中学生、高校生など)患者さんが多いです。漢方薬は用量を調整したり、飲ませ方を工夫すれば小学生でも飲めます。
漢方治療に興味がある方、漢方薬も一緒に飲んで治療を受けたい方は診察時、お気軽に申し出て下さい。