認定皮膚科専門医 アレルギー専門医 
漢方専門医

医療法人 北村皮膚科(八戸市)認定皮膚科専門医  アレルギー専門医 漢方専門医

0178-43-1325

青森県八戸市根城1-14-11

アクセス

診療内容

掌蹠多汗症、手掌多汗症について

症状

 掌蹠(しょうせき)とは手のひら(手掌)、足の裏(足底)のことです。幼小児期や思春期に発症し、精神的な緊張があったときに手のひら・足の裏に多量の発汗が見られます。発汗量は日中に多く、寝ている間は少ないです。

治療

1.塗り薬

アポハイド®ローション

  • 2023年6月に発売された、日本初の原発性手掌多汗症用外用剤(手汗の塗り薬)で、12歳以上が適応となります。足底(足汗)には使用できません。
  • 手掌の汗の出口(エクリン汗腺)にあるムスカリン受容体に対する抗コリン作用により発汗を抑える薬剤です。
  • アポハイドローション1本(4.5ml)は、1日1回5プッシュ使用すると1週間分の分量になります。
  • 薬の費用は3割負担の方で1本707円程度です。新薬ですので2023年5月までは処方制限があり、1回の診察につき2本までの処方になります。
  • 薬剤を塗った後、気密性の高い手袋等(ゴム、シリコン、ビニール)の使用は控えてください。通気性の良い綿100%の手袋等であれば使用可能です。
  • 下記に記載のある塩化アルミニウム溶液との併用も可能です。就寝前にはアポハイドローション、日中は塩化アルミニウム溶液、という組み合わせで使う形でも良いです。

塩化アルミニウム溶液

 手掌多汗症に対し保険適応のある薬剤は先に挙げたアポハイドローションがありますが、残念ながら足底の多汗症に対し保険適応のある塗り薬はありません。当院では日本皮膚科学会の診療ガイドラインにおいて使用が推奨されている塩化アルミニウム溶液を院内製剤として取り扱っております。この薬剤は汗の出口を塞ぎ、汗の量を抑える働きがあります。まずは濃度の薄い20%溶液を使用してもらい、かぶれや刺激感などの副作が無く効果が不十分な場合には濃度の濃い50%溶液を使用してもらうこともあります。外用を開始してから効果が出始めるのに2~4週間かかります。

価格
20% 塩化アルミニウム溶液 50ml650円(税込)
50% 塩化アルミニウム溶液 50ml900円(税込)

2.内服

1.抗コリン薬(プロ・バンサイン®)、自律神経失調症治療薬など

プロ・バンサイン®
  • 日本で唯一、西洋薬の中で「多汗症」に対し保険適用のある飲み薬(抗コリン薬)です。15歳以上が適応となります。
  • 交感神経から出る汗を出す指令をブロックし、発汗を抑える働きを示します。
  • 比較的即効性があり、効果がある方には服用後1時間ほどで効果が現れ、約5時間効果が継続します。
  • 飲み薬なので、一度の服用で全身の汗を抑えることが可能です。よって、腋窩多汗症と掌蹠多汗症がある方や、頭部・顔面の多汗症がある方に適しております。
  • 閉塞隅角緑内障の方、前立腺肥大による排尿障害のある方、重い心臓の病気がある方は服用できません。
  • 副作用として眼の調節障害、眠気を起こすことがあるので、本剤を服用中の方は、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないこと、とされております。

2.漢方薬

 「多汗症」に保険適応がある漢方薬は、「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」があります。
 また、「ねあせ」という適応症を持つ漢方薬として、「黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)」、「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」、「人参養栄湯(にんじんようえいとう)」があります。
 掌蹠多汗症は腋窩多汗症に比べ若年の(小・中学生、高校生など)患者さんが多いです。漢方薬は用量を調整したり、飲ませ方を工夫すれば小学生でも飲めます。
 漢方治療に興味がある方、漢方薬も一緒に飲んで治療を受けたい方は診察時、お気軽に申し出て下さい。

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