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漢方専門医

医療法人 北村皮膚科(八戸市)認定皮膚科専門医  アレルギー専門医 漢方専門医

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診療内容

掌蹠膿疱症の新しい治療(オテズラ内服)

オテズラ®(アプレミラスト)内服

オテズラ®(アプレミラスト)内服
スターターパック

 2025年3月、PDE4(ホスホジエステラーゼ4)阻害薬であるオテズラ®(一般名:アプレミラスト)が、「難治性の掌蹠膿疱症」に対して新たに保険適応となりました。オテズラ錠は既に尋常性乾癬、乾癬性関節炎、ベーチェット病による口腔潰瘍の3つの疾患に保険適応となっている薬剤であり、当院でも尋常性乾癬や乾癬性関節炎の患者さんには多数投与しております。

 オテズラは炎症に関与するサイトカインの産生を抑えることにより、皮疹の改善や再発の抑制が期待される飲み薬です。感染病巣や喫煙の有無に関係なく有効性が認められるため、歯科治療や減煙と並行してオテズラを投与することも可能です(しかし、頑張って禁煙して欲しいです)。また乾癬に使用した場合と比べても、掌蹠膿疱症に対する即効性の方が高いとされております。

 重篤な副作用は比較的少なく、定期的な血液検査も原則不要です。ただし飲み始めに下痢、悪心、頭痛などが見られることが時にあります。最初の2週間は、2週間分のお薬が入っている「スターターパック」を服用してもらいます。この「スターターパック」ですが、日に日に薬剤の投与量が増えるように作られており、少しずつ飲む薬の量を増やすことで、飲み始めに起きやすい上記副作用の発現を抑えます。

 このように高い効果も期待でき、定期検査も不要な優秀な薬剤なのですが、最大のネックは薬剤費です。自己負担が3割の方の場合、薬剤費は月16,000円強となり、高額療養費制度は使えません。しかしオテズラよりもはるかに薬剤費の高額な生物学的製剤(トレムフィア、スキリージ、ルミセフ)を当院では扱っておりませんが、臨床データではオテズラの方が生物学的製剤よりも効果が高い可能性が指摘されています。

 掌蹠膿疱症は著しくQOLを低下させる病気です。オテズラはこれまでステロイド外用薬や光線治療などで改善が乏しかった方、半ば治療をあきらめかけていた方への新たな治療の選択肢となります。当院では既に複数の掌蹠膿疱症患者さんにオテズラ内服を投与し効果を実感しております。是非一度ご相談ください。

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