2025.07.14
2024年5月より発売されております、アトピー性皮膚炎に対する新しい生物学的製剤であり、かゆみを引き起こしたり、皮膚のバリアを弱めたりする働きのある「IL-13」という物質(サイトカイン)を強く抑えます。既に広く使用されている、「IL-4」と「IL-13」の働きを抑えるデュピクセント®と類似の作用機序を持つ抗体医薬品(注射薬)です。既存治療で効果不十分な中等症以上のアトピー性皮膚炎の方(12歳以上・体重40kg以上の方)が対象です。
この製剤の特徴ですが、デュピクセントとほぼ同等の効果を持ちながら作用時間がデュピクセントよりも長いため、投与間隔を隔週だけでなく、状態に応じては4週間に1回へ延長させることも可能です。また1本あたりの費用もデュピクセントより若干安いです。治療費を極力抑えたい方、子供さんなど注射の頻度を減らしたい方にはお勧めです。
ほかにも、デュピクセントが効果が弱いとされる顔・首の治りづらい紅斑へもイブグリースは効果が期待できます。更にデュピクセントを12歳~14歳の子供に対し投与する場合、体重が30㎏以上60㎏未満の方に対しては2週に1回、使用方法が煩雑な200㎎シリンジ製剤を皮下注射することになりますが、イブグリースの場合は12歳以上で体重が40㎏以上のお子さんなら、成人と同様の用法用量、すなわち4週に1回のオートインジェクター製剤(大きめのペン型製剤です)での皮下注射となります。子供側も注射の頻度を減らせますし、親側も簡単に使用できるデバイスでの投与となるため、デバイスの使い方に対する負担・ストレスも減ります。