慢性じんましんは甲状腺疾患やある種の膠原病などが原因で生じることもありますが、多くは原因が特定できない原因不明の「特発性」慢性じんましんです。じんましんに伴うかゆみが強い場合には仕事に支障が出たり眠れなかったりする場合もあります。
急性・慢性じんましんとも、治療の第1選択は「抗ヒスタミン薬」(かゆみ止め)です。抗ヒスタミン薬の飲み薬だけで症状が改善する場合が多いのですが、症状が治まらない場合は、抗ヒスタミン薬を増量したり、複数の抗ヒスタミン薬を併用したりします。それも効果に乏しい場合には他の薬(H2受容体拮抗薬、抗ロイコトリエン拮抗薬、トラネキサム酸、漢方薬など)を追加したりします。しかしそれでも症状が治まらない治療抵抗性の特発性慢性じんましんに対し、2017年3月より抗IgE抗体であるゾレア®皮下注射が保険適用になりました。青森県立中央病院勤務中、多数使用していたこともあり、当院でも2021年4月よりゾレア®による治療を行っております。